農地を宅地化するのにかかる費用というのは主にどのようなものがあるのでしょうか?(農地転用許可申請費以外)
「農地を宅地化する」には「農地転用許可申請」以外にも様々な工事費用がかかるので、主なものをお伝え
しておきます。
<主な工事費用>
①整地、造成工事の費用
・地面を平らにする整地作業が必要となります。
・傾斜地の場合は、造成工事も必要となります。
・これらは、面積や土地の状態によっても様々ですが、数十万円~数百万円かかることが多いです。
②地盤改良と盛土工事
・農地の地盤が軟弱と判断された場合は、地盤改良工事が必要です。
・農地が平地より低い(一般)場合は、盛土工事が必要となります。
・これも土地の状態によっても様々ですが、数十万円~数百万円かかることが多いです。
③インフラ整備(上下水道、電気)
・農地の場合は、一般的に上下水道、電気はありませんので、新たに引き込む工事が必要です。
・これも最寄りの本管からの距離によっても様々ですが、数十万円~数百万円かかることが多いです。
④樹木の伐採と処理にかかる費用
・農地については、樹木が生えていることが多く、その伐採と処理費用がかかる場合があります。
伐採本数や、木の大きさによっても費用は異なります。
<追加情報>
農地を宅地化すると、原則として固定資産税が約6倍に跳ね上がりますので、宅地に転用後すぐに住宅を
建てて住むことで 固定資産税の特例(最大1/6に軽減)を受けることができます。
これにより、長期的な税負担を防ぐことができます。
尚、農地転用の変更許可申請⇒行政書士、地目変更の登記⇒司法書士が行います。
分筆登記などがある場合⇒土地家屋調査士が行います。
いずれにしても、農地を宅地化するのには、時間と費用が結構かかりますので、事前の計画をしっかりと
専門家と相談し進めることが重要と考えます。
◆行政書士野原周一事務所
電話:079-495-3254
携帯:090-6248-9855
mail:info@nohara-office.com
「非農地証明」というのをご存知ですか?
「非農地証明制度」というのは、
登記簿上の地目が農地(例:田、畑)で、現況が農地ではない(例:宅地)土地について、一定の条件を満た
している場合は、農地ではない証明を申請することができる制度のことです。
<対象となる土地の条件>
①対象土地の全体が非農地となってから20年以上が経過し、農地への復旧が著しく困難であること
②農地法による違反転用処分の対象となった土地ではないこと
③農業振興整備に関する法律に定める「農用地区域内」の土地ではないこと
<申請書類の注意点>
20年以上農地でないことを確認できることを証明する書類が必要です。
行政書士野原周一
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農地法で規制するのは? また「都市計画区域」にはどのような区域区分があるのか?「農振法」について
「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいい、「採草放牧地」とは、農地以外の土地で、主として耕作
又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいいます。
<補足>
■農地法で規制するのは、農地及び採草放牧地
※これらは事実状態で判断され、登記簿上の地目は関係ない
例えば、登記簿上「宅地」であるが現況が田や畑は→「農地」として判断される
※土地の一時的な状態では判断しない
※家庭菜園は農地ではない
■都市計画区域と区域区分
〇「市街化区域」
優先的かつ計画的に市街化を進める区域
具体的には、「すでに市街地を形成している区域」、「概ね10年以内に計画的に市街化を図るべき区域」
によって構成されている。
〇「市街化調整区域」
市街化区域とは反対に、市街化を抑制する区域→農地を保全していく区域
この区域は、開発行為は原則として抑制され、都市の整備
も原則として行われない。
〇「非線引き区域」
市街化区域でも市街化調整区域でもない都市計画区域のこと
法律上は、「区域区分が定められていない都市計画区域」という。
※農業振興地域の整備に関する法律(農振法)
→優良な土地を保全するための法律
「青地(あおぢ)」→「農用地区域内農地」のこと
今後10年以上にわたり農業利用を確保するため、農地外の利用を厳しく制限している。
農振除外の対象地
原則として農地転用は認められない。
市街化区域内には原則、指定できない。
「白地(しろぢ」→「農用地区域外農地」のこと
農地の集団性が低く、土地改良事業を実施していないなどの理由から青地の指定がなされておらず、青地
と比較すると農地以外への規制は比較的ゆるやかになっている。
農地転用が必要な農地
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農地転用許可後の定期報告その他について(農地転用による手続の厳格化)
今般の農地法改正により次の点が加えられました。
■農地転用(第4条第7項、第5条及び第3項)許可後の資料+現況写真の提出義務化
市街化調整区域内の、第2種や第3種などの農地で、農業委員会や都道府県知事などから転用許可の通知が
あった場合、その後の転用状況の確認のための資料(現況の通知、現況写真)の提出が義務付けられまし
た。
例)
〇農地を雑種地(例:駐車場)に転用
3年間(1年に2回ごと、計6回)、農業委員会、都道府県知事へ「現況の通知届出」「現況写真2枚」を提
出することです(定期報告)。
この場合、3年間は転用目的以外に戻せないことになります。(自治体によって取扱が異なる)
従って、農地転用の際は、予め注意をしておく必要があります。
■原状回復等の措置命令を受けた者が、期限までに命令に係る措置を講じない場合
→その旨を公表する仕組みが創設されました。(第51条第3項)
従って、原状回復命令が行われた場合は、公表される可能性があることにご注意ください。
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農地転用の際には、「土地改良区」に行って、組合員(受益地)から除外する申請、賦課金の支払手続が必要となります。
「土地改良区」というのは、土地改良法(昭和24年)に基づく土地改良事業を行うための法人です。
都道府県知事に申請し、認可を受けることによって設立されます。
農地(田や畑)を所有することは、土地改良区の組合員であることになります。
毎年、所有者は、原則として、この土地改良区事業を営むための経費(賦課金)の負担をしなければなり
ません。組合員全員で、当事業に関わる費用を分担(原則農地面積に応じて)するというものです。
農地法第4条及び第5条の規定によって、農地の転用をする場合は、農業委員会や都道府県知事に許可の申
請をする際に、当該土地改良区の意見書を添付しなければならないことになっています。
と同時に組合員(受益地)から除外する旨の申請を行うことになります。
(受益地除外通知書を土地改良区より受取り、農業委員会へ提出する必要があります)
除外された農地所有者分の分担金(賦課金)は、他の農地所有者が負担しあう形となります。
従って、農地転用を行った年については、毎年支払っている賦課金と、受益地から除外するために支払う
賦課金を二重に支払う形となります。
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