外国の方が、日本人と同様にどんな仕事にも就くことができる資格とは?
就労に制限のない資格は、次①~④の4つです。
※いわゆる単純労働的な仕事についても問題ありません。
※次の①~④の在留資格を持っている「在留カード」の「就労制限の有無」欄には、「就労制限なし」と書かれています。
①「永住者」(法務大臣が永住を認める者)
・日本に住んでいる年数が
a 日本人や永住者の配偶者である場合:婚姻期間が3年以上、直近1年以上日本に居住していること
b 「定住者」の在留資格で日本に住んでいる場合:5年以上日本に居住していること
c その他の在留資格の場合:10年以上日本に居住しており、かつ直近5年以上就労可能な在留資格で在留していること
・素行が良好であること(前科前歴がなく、納税義務などの公的義務を果たしていること)
・独立の生計を営む資産を有する人
(自分の収入や資産によって安定した日常生活を送ることができること)
・法務大臣が我が国に利益であると判断した人であること
②「日本人の配偶者等」
・日本人と結婚した者
・日本人の特別養子(普通養子や海外の類似制度による養子は除く)
・日本人の子として出生した者(実子、婚外子、認知された子を含みます)
③「永住者の配偶者等」
・永住者又は特別永住者※の方と結婚した方
・永住者又は特別永住者※の子(実子)として日本で生まれた方
※「特別永住者」とは、入管特例法「日本との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」に基づく在留資格を持つ永住者のこと
具体的には、第二次世界大戦中の戦時下において、日本に占領されていた領地の人達のこと
④「定住者」
・法務大臣が、告示によって定めている(通称:告示定住)と告示によって定められていないが、特別な理由で認められる余地のある場合(通称:告示外定住)があります
<告示定住例>
・日本人の子として出生した者の実子(つまり、日本人の孫)
・日本人の子の配偶者、定住者の配偶者
<告示外定住者の代表例>
・日本人と離婚後も引き続き日本に居住することを希望する外国人
国際結婚→「配偶者ビザの更新」→3年経過後、「永住ビザ」への「在留資格変更申請」ができる。
<配偶者ビザの更新とその後>
・配偶者ビザの有効期間は、
1年、3年、5年となってます。
・通常は、
最初ビザをはじめて取得したときは1年で更新、
2回目の更新で1年、
次の3回目の更新で3年(あるいは5年)というケースが多いです。
<永住ビザの申請>
配偶者ビザを取得し3年を経過したときは「永住ビザ」を申請できます。
※日本に来てから3年ではなく、結婚してから3年です。
※但し、直近日本に1年以上居住していることが要件です。
※「定住者」の在留資格で日本に住んでいる場合、5年以上日本に居住していること。
※その他の場合は、10年以上日本に居住していること
※申請が不許可になる主な理由例
・夫婦の住民票上の住所が別である。
(許可を得るためには、「単身赴任」等正当な理由、証明が必要)
・扶養者が自営業などで収入が不安定である。
・日本の滞在日数が270日以上でない(最低年間滞在180日以上必要)。
・住民税、年金などの納付を滞納している。
・健康保険に加入、納付していない。など
<永住権ビザのメリット>
・ビザの更新手続が一切不要。
・就職活動に制限がない(あらゆる就労に応募できる)
・住宅ローンや融資を受けやすくなる。
・万が一、離婚した場合でも日本に住むことができる。
などメリットがあります。
在留資格「技能実習生1号ロ」「技能実習生2号ロ」<基本編>
在留資格「技能実習生」には、「技能実習イ」と「技能実習ロ」があります。
「技能実習イ」というのは、企業単独型で「技能実習」を行う場合であり、「技能実習ロ」は、監理団体という技能実習生の指導、支援等を行う機関の介入を受けて「技能実習」を行う場合のことをいいます。
現在、日本では約8割が「技能実習ロ」で、約2割が「技能自習イ」です。
イもロも「1号」「2号」「3号」がありますので、あわせて6種類の「技能実習」があります。
※尚、「技能実習生」制度は「人材不足の対応」のために日本に受け入れるのではなく、「開発途上地域等への技能等の移転を図ることをもって国際貢献を行う」という目的があります。
従って、労働力の需給の調整の手段として行われてはならないことになります。
ここでは、「技能実習ロ」の1号、2号について述べます。
<技能実習とは>(送り出し機関<例:ベトナムの取次機関>と監理団体で契約締結)
「監理団体※」を介して、日本の事業者等が技能実習生と「雇用契約」を交わし、日本国内にある事業所において、「技能実習生」が技能等に従事する(18歳以上の者)こと
「監理団体」の作成した実習計画に従い、
・入国1年目で最初の技能実習である第一号団体管理型技能実習を受ける(入国後講習有)
↓
・一定レベルの日本語能力試験や技能試験に合格する
↓<在留資格変更の許可が必要>
・第二号として技能実習計画の認定を受け、2年目、3年目に第二号団体管理型技能実習を受けていきます。 ↓
・いったん母国に帰国します。<在留資格変更の許可が必要>
その後は、第三号として優良な実習実施者(実習先企業のこと)の下で4年目、5年目と最長2年間従事していきます。(さらにレベルの高い各試験を合格した者)従って、在留期間は、最長で5年となります。
※監理団体は
①技能実習計画の作成指導→外国人技能実習機構を通じて主務大臣に提出、許可を受ける
②その後の実習等の監理等担う。(技能実習の職種及び作業について高い知見必要)
③許可基準は、非営利性、業務能力、財産的基盤、個人情報保護、外部役員、監査、外国との送り出し機関との契約などの条項が設けられています。
優良な監理団体(技能実習生の指導、支援を行なう非営利法人)への道
「監理団体」「実習実施者(実習生受け入れ先)」については、技能実習の実施状況の監査でその他の業務を遂行する能力につき高い水準を満たすものとして主務省令で定める基準に適合していること(法25条第1項第7号)とあります。
※「監理団体」は中立性を保つために、外部役員の受け入れ若しくは外部監査人による監査を行うことが求められています。(外部役員は外部監査人にはなれません)
※外部監査人には、弁護士、行政書士、社会保険労務士等の士業が就任することが一般になっています。
具体的には、満点の6割以上であれば、優良な「監理団体」「実習実施者」の基準に適合します。
◆優良な監理団体の要件(満点:120点)
・実習の実施状況の監査その他の業務を行う体制(50点)
・技能等の修得に係る実績(40点)※技能検定の合格率等
・法律違反・問題の発生状況(5点)
・相談、支援体制(15点)
・地域社会との共生(10点)
◆優良な実習実施者(実習生受け入れ先)の要件(満点:120点)
・技能等の修得等に係る実績(70点)※技能検定の合格率等
・技能実習を行わせる体制(10点)
・技能実習生の待遇(10点)
・法律違反・問題の発生状況(5点)
・相談、支援体制(15点)
・地域社会との共生(10点)
時間外労働の基礎知識(外国人技能実習生も含む)
企業は、就業規則で定めた「所定労働時間」(例えば、9時始業、昼休み休憩1時間、17時30分終業)が8時間未満であれば、この場合、労働時間は、昼休み休憩時間を引いた7時間30分となり、8時間に達成するまでは「割増賃金」を支払う必要はない。
8時間を超える部分について、「割増賃金」が発生する。
◆計算式 (時間単価)×(時間外労働の時間)×(割増率)
つまり、「割増賃金」は、
・9時~18時までは⇒⇒時間単価×1倍
・18時~22時⇒⇒時間単価×1.25倍
・22時~翌朝5時まで(深夜労働)⇒⇒時間単価×(1.25+1.25=1.5)倍
その他)
・1ヶ月当たり時間外労働が60時間を超えた場合⇒⇒その超えた時間の時間単価×1.5倍
・法定休日労働(週1日必ず休む日)に時間外⇒⇒(すべての労働時間)×1.35倍
・1年の途中で、昇給等によって、時間単価が変わってしまった場合、もう一度再計算が必要
◆「実労働時間」立証の材料(例)
・タイムカード
・出退勤管理のシステムの記録
・パソコンのログイン、ログオフ記録
・オフィスの入退館記録
・交通系ICカードの記録
・業務日報など