「経営事項審査」(経審)とは?

経営事項審査(経審)とは?
・経営事項審査(経審)とは、公共工事を受け負うために受けなければならない審査のことです。
・さらに、公共工事を発注者から直接請負おうとする建設業者を評価するための審査です。
・発注者は、国又は地方公共団体等になります。
・経営事項審査を受ける必要がある建設業者は、国又は地方公共団体等から元請として直接公共工事を受注したいと考えている許可業者と
いうことになります(下請けのみの場合は必要はありません)
・行政としては、大事な税金を使う公共工事はしっかりとした経営基盤を持ち技術力のある建設業者に工事を施工してほしいという考え方
があります。
・経営事項の審査の評価は以下の式により行われます。
総合評定値(P)=0.25X(X1)+0.15X(X2)+0.2X(Y)+0.25X(Z)+0.15X(W)
X1=経営規模(種類別年間完成工事高)
X2=経営規模(自己資本額及び平均利益額)
Y=経営状況
Z=技術力
W=その他の審査項目
※総合評定値(P)が大きいほど高い評価となります。
改正:令和2年の改正建設業法で「専門工事一括管理制度」が創設されました。

「専門工事一括管理制度」とは?
◇限りある人材の有効活用という観点から、次のすべての要件を満たす場合、下請負業者の主任技術者の設置を不要とするものです。
①鉄筋工事又は型枠工事であること(一式工事以外で施工技術が画一的かつ施工技術上の管理の効率化を図る必要があること)。
②下請契約の請負代金の額が、3,500万円未満であること。
③注文者と請負業者の間で書面により、次の合意がなされていること。
・特定専門工事の内容
・上位下請の置く主任技術者の氏名
・その他国土省令で定める事項
④上位下請の主任技術者が次の要件を満たしていること。
・当該特定専門工事と同一の種類の建設工事に関し一年以上指導監督的な実務の経験を有すること
・当該特定専門工事の現場に選任で置かれること
⑤主任技術者を置かないこととした下請負人は、その下請負に関わる建設工事を他人に請け負わせないこと。
改正:併せて「施工体系図」「再下請負通知書(再下請負した場合)」の作成も必要となりました。

・施工体系図とは?
各下請負人の施工分担関係が、一目でわかるように作成する図です。施工体制台帳の作成対象工事において、元請業者が作成しなければなりません。
元請業者は、作成対象工事については、施工体制台帳と施工体系図を作成することになります。
参照:国土交通省関東地方整備局「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法(H30.4版)」
・再下請負通知書とは?
施工体制台帳の作成対象工事では、下請負人は、さらにその工事を再下請負した場合、「再下請負通知書」を作成して、元請業者に提出しなければなりません。
施工体制台帳作成対象工事である場合には、そのことを関係者に通知しなければなりません。
元請業者は現場の見やすい場所に「再下請負通知書の提出案内」を掲示する必要があります。
また、下請業者に工事を発注するすべての建設業者は、下請業者に対して、元請業者の名称・再下請通知書が必要な旨・再下請通知書の提出先を書面で通知する必要があります。
参照:国土交通省関東地方整備局「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法(H30.4版)」
令和3年1月1日~ 改正:特定建設業者や公共工事に「施工体制台帳」の作成が義務付けられました。

「施工体制台帳」とは?
※ダウンロード先:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000191.html
・工事を請け負うすべての業者名、各業者の施工範囲、工期、主任技術者・監理技術者名を記載した台帳のことです。
・施工体制台帳の作成を通じて、元請業者に現場の施工体制を把握させることで、以下のことを防止することが目的です。
①品質・工程・安全などの施工上のトラブルの発生
②不良不適格業者の参入や建設業法違反(一括下請負等)
③安易な重層下請(生産効率低下等)
・発注者から直接工事を請け負った特定建設業者は、下請総額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上になる場合、施工体制台帳の作成が義務付けられています(公共工事の場合は、下請契約の金額に関係なく作成が必要です)。
続いて「監理技術者」の資格要件とは何ですか?

監理技術者とは
◇前述した通り
監理技術者が必要な工事
監理技術者の配置が必要な工事はとは?
⇓
特定建設業者 発注者から直接請け負った元請負人で
合計4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上の
下請契約を締結した工事
⇒監理技術者の配置が必要です。
工事現場ごとに専任で監理技術者を配置しなければいけない工事、公共工事、民間工事を問わず、個人住宅を除く殆どの工事が対象です。
※監理技術者として建設工事に専任で携わる方は、監理技術者資格者証の交付を受け、かつ、監理技術者講習を修了していることが必要です。
工事現場においては監理技術者証の携帯が義務づけられ、発注者の請求があったときは提示しなければなりません。
・資格要件
指定建設業において、監理技術者となるには、一級国家資格等の保有が必要です。
(指定建設業とは、土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業の7業種)
なお、指定建設業以外の22業種に関しては、一定の要件を満たした実務経験を有する方も監理技術者となることができます。