お知らせ

民法改正(令和元年、2年施行分)相続

◆平成元年1月13日施行 

 ①自筆証書遺言の書き方が変わりました。(民法968条第2項、3項)

これまでの全文自筆で書く以外に自筆証書遺言を作成する方法がないという状態から自筆+印字・代筆も可に変更されました。

具体的には、

旧→全文自筆のみ

新→本文自筆+財産目録(印字・代筆・コピー)も可(印字・代筆が認められるのは財産目録のみ)となります。

◆令和元年7月1日施行

②婚姻期間が20年以上である配偶者の一方が他方に対し、その居住の用に供する建物又は敷地を遺贈又は贈与した場合については、原則として、計算上遺産の先渡し(特別受益)を受けたものとして取り扱わなくてもよいこととすることとなりました。

つまり、遺贈や贈与の趣旨を尊重した遺産の分割が可能となることになりました(法律婚の尊重、高齢者の生活保障に資する)。(民法903条第4項)

◆令和元年7月1日施行

③家庭裁判所の判断を経ずに払い戻しが得られる制度が創設されました。(民法909条第2項)

遺産に属する預貯金債権のうち、一定額(例えば生活費や葬儀費用の支払い、相続債務の弁済など)については、単独での払い戻しが認められれるようになりました。では具体的にどれだけ単独で払い戻しができるのか?その額の計算の仕方は?

→(相続開始時の預貯金債権の額(口座基準))×1/3×(当該払い戻しを行う共同相続人の法定相続分)例えば、

長男の法定相続割合が1/4で、預貯金債権が1,200万円とすると、1,200万円×1/3×1/4=100万円となります。

但し、預貯金債権金額には、上限があるのであくまでも上記は例としてお考え下さい。

◆令和元年7月1日施行

④相続人以外の親族が、被相続人の療養看護等を行った場合、一定の要件のもとで相続人に対して金銭の支払いを請求できることとする制度が(相続人以外の者の貢献を考慮するための方策(特別の寄与)が新設されました(民法1050条第1項)。

現行制度では、相続人以外の者(例えば長男の妻)は、被相続人の介護に尽くしても相続財産を取得することができませんでした。

新制度では、相続開始後、長男の妻は相続人(例えば長男・次男)に対して金銭の請求をすることができるようになりました。

これで介護等の貢献に報いることができ、実質的公平が図られました。

◆令和元年7月1日施行

⑤相続させる旨の遺言等により承継された財産については、登記なくして第三者に対抗することができるとされていた現行法の規律を見直し、法定相続分を超える部分の継承については登記等の対抗要件を備えなければ第三者対抗することができないこととする制度が新設されました。(民法899条の2第1項)

改正後の規律は、相続させる旨の遺言についても、法定相続分を超える部分については、登記等の対抗要件を具備しなければ、債務者・第三者に対抗することができない、こととなりました。

※改正前は「相続させる旨の遺言による権利の継承」は登記なくして第三者に対抗することができるとされていた。改正後は、たとえ「相続させる旨の遺言」があっても、法定相続分を超える部分の継承については、登記の先後で優劣が決定し、遺言の有無及び内容を知り得ない相続債権者・債務者等の利益や取引の安全を確保することとなりました。これは、登記制度や強制執行制度の信頼を確保することにもつながることとなります。

◆令和元年7月1日施行

⑥遺留分を侵害された者は、遺贈や贈与を受けた者に対し、遺留分侵害額に相当する金額の請求をすることができるようになりました。また、遺贈や贈与を受けた者が金銭を直ちに準備することができない場合には、裁判所に対し、支払期限の猶予を求めることができるようにもなりました。(民法第1046条)

◆令和2年4月1日施行(配偶者居住権の新設)

⑦配偶者が相続開始時に被相続人(亡くなった方)所有の建物に居住していた場合には、配偶者は遺産分割において配偶者居住権を取得することにより、終身又は一定期間、その建物に無償で居住することができるようになりました。さらに、被相続人が遺贈等によって配偶者に配偶者居住権を取得させることもできるようになりました。(民法1037条~1041条)

◆令和2年7月10日施行(法務局における遺言書の保管等に関する法律)

⑧自筆証書遺言を作成した方は、法務大臣の指定する法務局に遺言書の保管を申請することができるようになりました。相続人や受遺者は、遺言者の死亡後に、全国にある遺言書保管所において、遺言書が保管されているかどうか調べること(遺言書保管事実証明書の交付請求)、遺言書の写しの交付を請求すること(遺言書情報証明書の交付請求)ができ、また、遺言書を保管している遺言書保管所において遺言書を閲覧することもできます。